出張買取は、条件がそろっていれば19,000円から開業準備を始められます。
僕が出張買取を始めようとしている方からよく聞くのが、「車や事務所を用意すると、開業に何十万円も必要ですよね?」という質問です。
最初から専用車や立派な事務所、有料のホームページをそろえる必要はありません。すでに持っている車・スマートフォン・パソコンを使い、できる作業を自分で行えば、最初に必要な大きな支出は古物商許可の申請手数料19,000円に抑えられます。
ただし、19,000円を払えば翌日から買取へ行けるわけではありません。許可証が交付されるまでの期間があり、書類代や交通費などの細かな費用もかかります。この記事では、19,000円で始めるための条件と、費用を削ってはいけない準備まで正直に解説します。
この記事の結論
19,000円は「出張買取の開業費用の総額」ではなく、古物商許可の申請手数料です。自家用車やスマートフォンなどをすでに持っている方なら、追加の出費を抑えて小さく始められます。
出張買取は本当に19,000円で開業できるのか
結論から言うと、次の物をすでに持っている方なら、19,000円に近い金額で開業準備を進めることは可能です。
- 査定先へ移動できる自家用車
- お客様の電話を受けられるスマートフォン
- 相場確認や書類作成に使うパソコン
- 商品を保管できる自宅のスペース
- 販売に使えるフリマアプリやオークションのアカウント
この条件を満たしていれば、新しい車や事務所を借りずに始められます。ホームページも最初は無料の作成サービスを使えますし、チラシや契約書面も自分で準備できます。
一方で、住民票などの取得費用、警察署へ行く交通費、ガソリン代、印刷代は別に必要です。地域や現在の持ち物によって総額は変わるため、「誰でも総額19,000円で全部そろう」とは考えないでください。
| 準備する物 | 費用を抑える方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 古物商許可 | 自分で申請する | 申請手数料19,000円は必要 |
| 車 | 今ある自家用車を使う | 燃料代や任意保険の確認は必要 |
| 電話 | 今あるスマートフォンを使う | 屋号での受け答えを決めておく |
| ホームページ | 無料サービスから始める | 連絡先・対応地域・買取品目を明記する |
| 事務所 | 要件を確認したうえで自宅を営業所にする | 賃貸借契約や管理規約も確認する |
| 査定道具 | 必要な物から買い足す | 扱う商品によって必要な道具が違う |
出張買取の開業に必要な物
昔の僕は、出張買取を始めるなら「古物商・車・HP・商品知識」が必要だと説明していました。今もこの4つは重要です。ただ、実際にお客様の家で買取するところまで考えると、それだけでは足りません。
古物商許可
中古品を事業として買い取り、再販売するための土台です。出張買取を行うなら申請内容の「行商」も確認します。
移動手段
査定先へ行き、買い取った商品を安全に運ぶ手段です。最初は自家用車でも始められます。
電話と受付表
品物・点数・住所・駐車場所などを訪問前に確認し、無駄な出張を減らします。
契約書面と記録
訪問購入のルールに沿った書面、本人確認、取引記録を準備します。
相場を調べる環境
型番、状態、付属品を確認し、実際に売れた価格から判断できる環境を作ります。
販売先
買った後にどこで、いくらで売るのかを先に決めておきます。
信用を伝えるページ
屋号、連絡先、対応地域、買取品目、古物商許可番号などを確認できるページを用意します。
最低限の査定道具
メジャー、ライト、手袋、清掃用品、梱包用品などを扱う商品に合わせてそろえます。
古物商許可の申請に19,000円かかる

事業としてお客様から中古品を買い取り、再販売する場合は、原則として古物商許可が必要です。愛知県警察の案内では、許可申請の手数料は19,000円です。不許可になった場合や申請を取り下げた場合でも、手数料は返却されません。愛知県外で申請する方は、営業所を管轄する都道府県警察の最新案内も確認してください。
申請先は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署です。個人で申請する場合でも、申請書だけではなく、住民票の写し、身分証明書、略歴書、誓約書などを準備します。書類に不備があると交付が遅れるため、いきなり提出へ行かず、先に管轄警察署へ必要書類を確認しておくと安心です。
許可を申請しただけでは営業を始められません。許可証が交付され、必要な準備が整ってから買取を始めてください。出張先で買取をする場合は、申請時に「行商する」としているかも確認が必要です。
自宅を営業所にするときの注意点
自宅を営業所にできれば家賃を増やさずに済みます。ただし、賃貸物件や分譲マンションでは、事業利用が賃貸借契約や管理規約で制限されている場合があります。
「住所があるから大丈夫」と決めつけず、物件の契約内容と警察署で求められる条件を確認してください。法人で始める場合や、自宅以外を営業所にする場合は必要書類も変わります。
車は買わずに今ある自家用車を使う
僕は出張買取を始めたとき、専用の軽バンを買わずに普通車で回っていました。そのため、開業時の車両購入費は0円です。
車を持っているなら、最初から見た目のために買い替える必要はありません。まずは自分の車に載るサイズの商品を扱い、依頼数が増えてから軽バンなどを検討すれば十分です。
最初から大きく固定費を持つ
専用車をローンで購入し、仕事が少ない月も支払いが続く。
依頼に合わせて段階的に増やす
自家用車で対応できる品目から始め、必要になった時点で車両を見直す。
ただし、車両費が0円でもガソリン代はかかります。任意保険の使用目的や補償内容も保険会社へ確認してください。大型家具や重量物を無理に一人で運ぶと、商品だけでなく家や自分の体まで傷めます。運べない品物を断る基準も、開業前に決めておきましょう。
ホームページは無料からでも始められる
ホームページは法律上の開業条件ではありません。それでも、出張買取では早い段階で用意した方がいいと僕は考えています。
知らない事業者を自宅へ呼ぶお客様は、「どんな人が来るのか」「怪しい会社ではないか」と不安になります。チラシを見た方や紹介を受けた方も、電話をかける前に屋号を検索することがあります。そこで何も出てこないと、それだけで候補から外れることがあります。
最低限ホームページに載せる内容
- 屋号、代表者名、所在地、連絡先
- 古物商許可を受けた公安委員会と許可番号
- 出張できる地域と営業時間
- 買取できる物と買取できない物
- 査定から支払いまでの流れ
- 出張料や査定料の有無
- よくある質問と問い合わせ方法
最初は無料のホームページ作成サービスでも構いません。依頼が取れるようになったら、独自ドメインや記事の追加など、信用と集客に必要な部分へ順番にお金を使えばいいです。
商品知識が少ないうちは電話で情報を集める
開業直後から、すべての商品の相場を覚えている人はいません。僕も最初から何でも査定できたわけではありません。
だからこそ、依頼の電話で「何がありますか?」と聞くだけで終わらせず、訪問前に査定に必要な情報を集めます。電話の段階で商品をある程度絞れれば、自宅で相場と売り先を調べてから訪問できます。
訪問前に確認する項目
商品名、メーカー、型番、購入時期、動作状態、傷や欠品、付属品、数量、保管場所、搬出経路、希望日時、住所、駐車場所を確認します。可能であれば写真も送ってもらいます。
たとえば家電なら、同じ商品名でも型番や年式で価格が大きく変わります。箱やリモコンの有無でも販売価格は変わります。「テレビがあります」だけで訪問すると、古くて買取できない、車に載らない、処分費だけがかかるということもあります。
査定で見る数字
見るべきなのは出品価格ではなく、実際に売れた価格から手数料・送料・整備費・返品リスクを引いた後にいくら残るかです。相場が分からない商品は、無理に買わない判断も必要です。
買取より先に販売先を決める
出張買取は、安く買えれば利益が出る仕事ではありません。買った商品が売れて、代金を回収して初めて利益になります。
同じ商品でも、フリマアプリ、ネットオークション、古物市場、専門業者への卸売りでは、売れる価格と入金までの時間が違います。販売先が決まっていない商品を雰囲気で買うと、在庫だけが増えて資金が動かなくなります。
販売価格 − 販売手数料 − 送料 − 整備費 − 買取価格 − 出張経費 = 手元に残る利益
訪問前の相場確認では、この計算まで行います。利益が出そうでも、売れるまで半年かかる商品なら、開業直後の少ない資金には向かないことがあります。最初は自分が売った経験のある品目や、短期間で現金化しやすい品目に絞る方が安全です。
契約書面と本人確認は開業前に準備する
古物商許可を取っただけで、お客様の家で自由に買取できるわけではありません。出張買取は、特定商取引法上の「訪問購入」に当たる場合があります。
訪問購入では、事業者名や勧誘目的などの明示、法定事項を記載した書面の交付、クーリング・オフなどのルールがあります。依頼されていない物まで突然買い取ろうとする飛び込み勧誘はできません。査定だけを頼まれたのに、その場で契約を迫る行為にも注意が必要です。
「お客様が呼んでくれたから、家にある物は何でも営業してよい」とは限りません。訪問購入では、法定書面を受け取った日から数えて8日以内のクーリング・オフや、期間内にお客様が品物の引き渡しを拒めるルールがあります。扱う品目や取引方法によって適用関係が変わるため、契約書面は自己流にせず確認してください。
古物営業法に基づく本人確認や取引記録も必要です。現場で迷わないよう、買取受付表、本人確認の手順、買取明細、契約書面、古物台帳への記録方法を開業前に決めておきます。
19,000円で始めるために後回しにしてよい物
開業時は、売上がまだない状態です。最初から見栄えのためにお金を使うと、買取に使う資金が足りなくなります。
専用の事務所や倉庫
自宅で要件を満たし、保管できる量から始めるなら急いで借りる必要はありません。
新しい営業車
今ある車で対応できる商品から始め、積載量が足りなくなってから検討します。
高額な査定道具一式
扱う品目を決めずに道具を買うと使わない物が増えます。必要になった物から追加します。
高額なホームページ
最初は必要情報を確認できる小さなサイトを作り、依頼数に合わせて育てます。
いきなり広い地域への広告
移動時間とガソリン代が増えます。まずは自宅から近い地域で流れを固めます。
反対に、削ってはいけない費用と準備
安く始めることと、必要な準備を飛ばすことは別です。次の部分を削ると、19,000円以上の損失や信用問題につながる可能性があります。
- 許可と法令対応:古物商許可、行商、本人確認、取引記録、訪問購入の書面を確認する。
- 安全対策:車の保険、搬出時の養生、手袋、重量物を無理に運ばない基準を作る。
- 販売までの経費:手数料、送料、梱包費、修理費、保管費まで見て買取価格を決める。
- お客様との連絡:電話番号、折り返し方法、訪問日時の確認、キャンセル時の対応を決める。
- 処分の判断:売れない物や処分に費用がかかる物を、安易に引き取らない。
出張買取を開業するまでの7つの手順
扱う商品と地域を絞る
最初から何でも買取にせず、自分が相場を調べやすい商品と、無理なく移動できる地域を決めます。
営業所の条件を確認する
自宅を使う場合は、賃貸借契約や管理規約、警察署で求められる条件を確認します。
古物商許可を申請する
管轄警察署へ相談し、必要書類をそろえて申請します。出張買取をすることを伝え、行商の扱いも確認します。
許可待ちの期間に販売を練習する
自分の不用品など、許可が不要な範囲で出品・梱包・発送を経験し、販売手数料や送料を確認します。許可が出る前に営業目的の仕入れはしません。
受付と契約の仕組みを作る
電話受付表、本人確認、契約書面、買取明細、取引記録、クーリング・オフ時の対応を準備します。
信用を確認できるページを作る
屋号、連絡先、対応地域、買取品目、料金、許可情報、申込方法を掲載します。
近い地域から集客を始める
許可証の交付後、近隣へのチラシや紹介など小さな集客から始め、電話受付から販売までの流れを改善します。
19,000円で始める人ほど、最初の1件を小さくする
資金が少ないときに怖いのは、買取価格の高い商品を買って資金が止まることです。利益が大きそうに見えても、売れなければ次の買取へ使うお金がなくなります。
僕なら最初は、自宅から近い依頼で、運びやすく、販売経験のある商品から始めます。1件の利益を最大化するより、電話受付、訪問、査定、書面、支払い、清掃、出品、発送までの流れを崩さず終えられることを優先します。
開業直後の考え方
お金が少ないことよりも、知らない商品を勢いで買うことの方が危険です。分からない商品は調べる、利益計算ができない商品は断る、運べない商品は無理をしない。この基準を先に作ってください。
出張買取の開業でよくある質問
19,000円だけ用意すれば必ず開業できますか?
19,000円は古物商許可の申請手数料です。住民票などの取得費用、交通費、ガソリン代、印刷代などは別にかかります。車やスマートフォンを持っていない場合は、さらに準備費用が必要です。
古物商許可を申請した日から買取できますか?
できません。許可証が交付される前に、営業目的で中古品を買い取って再販売することは避けてください。愛知県警察の案内では、交付まで申請から40日前後が目安です。
車を持っていなくても始められますか?
車そのものが古物商許可の必須条件というわけではありません。ただし、お客様の家へ移動して品物を運ぶ仕事なので、実務上は車か代わりの輸送手段が必要です。レンタカー代まで含めて採算を計算してください。
ホームページがなくても開業できますか?
ホームページは法律上の必須条件ではありません。ただ、知らない人を自宅へ呼ぶお客様の不安を減らし、問い合わせを受けるための信用材料になります。無料サービスでも、事業者情報と買取の流れを確認できるページは用意した方がいいです。
商品知識がなくても出張買取はできますか?
すべての商品に詳しくなる必要はありませんが、価格を判断できないまま買うのは危険です。扱う品目を絞り、訪問前に型番や写真を確認し、売れた価格と経費を調べてから査定します。
副業でも出張買取を始められますか?
本業の就業規則、電話を受けられる時間、訪問日時、商品の保管場所、発送時間を整理できれば始められます。対応できない時間を曖昧にせず、土日や平日夜など受付枠を決めておくと運営しやすくなります。
まとめ
- 19,000円は古物商許可の申請手数料
- 自家用車やスマートフォンがあれば追加費用を抑えられる
- ホームページは無料からでもよいが、信用を伝える情報は必要
- 電話で商品情報を集め、訪問前に相場と販売先を確認する
- 本人確認、取引記録、訪問購入の書面は開業前に準備する
- 最初は近い地域と扱いやすい商品に絞る
出張買取は、大きな設備投資をしなくても始められる仕事です。ただし、安く始められることと、簡単に利益が出ることは同じではありません。削るのは見栄のための固定費であり、許可・書面・相場確認・安全対策は削らないでください。
出張買取を本気で形にしたい方へ
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